有限会社ドットワン

データベース・パブリッシング

2006年4月10日

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データベース・パブリッシングってナニ?

比較的パターン化しやすい情報のカタマリを、自分の要求するカタチに構成して誌面に定着させる仕事の流れ。
バッチ処理、自動組版、スクリプティング…いろんな呼び方をするコンピュータの自動処理機能を活かしたDTP分野があります。
ここではそれを、データベース・パブリッシングと呼んでいます。

なんとかしたいね、定型処理

例えば、何列・何十行・何頁にもわたる人名録を印刷しなくてはならないと仮定しての話。

クライアントの方にお尋ねします。
あなたは、書類をコピーした紙の束を原稿として渡しますか?
それとも、Wordのファイルを渡しますか?
あるいは、ExcelやAccessのデータを渡しますか?

デザイナーorオペレーターの方にお尋ねします。
あなたは、使い慣れたIllustrator上で一文字ずつタイプしますか?
それとも、原稿or支給データからテキストファイルを作成し、
IllustratorやQuarkにコピー&ペーストしていますか?

こうして整理すると、上手にパソコンを使って、両者の間をうまく取り持ってやれば、なんだか、お互い、楽に仕事をこなせそうな気がしてくるから不思議です。
両者の間を「うまく取り持つ」という部分が肝で、それには、最低限の知識と少しの工夫、そしてお互いを思いやる心が必要です。

工夫に必要な仕掛けの根幹部分は、パソコン使いの練達者達、すなわちプログラマやデベロッパが、ソフトウェアというカタチで我々に届けてくれています。
それらの機能や特質を理解して(知識)、パソコンに組み込み、システムとして構築(工夫)すれば良いわけですが、構築するだけでは、スムースな運用はできません。
そこで必要なのが、受発注2者間のフローに対するスタンスや理解度です。互いがどのような準備をすれば最善なのかと歩み寄ることにより、業務用システムとしてのワークフローは完成します。先に「思いやる心」を追加したことの意味は、ここにあります。

上の案件をドットワンで制作するなら、どうするとお尋ねですか?

  1. Excelのファイルを頂きます。
  2. Excelファイルを自動処理用に加工・成形します。
  3. レイアウトソフトで、テンプレートを作成し、2とリンク。
  4. 実行ボタンをクリックします。

自動処理の手法は、さまざま

自動処理・自動組版の方法は、いろいろとあり、処理するデータの種類や量に合わせた選択が必要です。
書籍の体裁を持つものやクロスメディア活用を視野に入れるなら、XMLを使って着手した方が効率的ですし、ショーカードや名刺といった多品種小ロット物、特売品チラシなどの定型物の作成には、イラストレータのプラグインで事足ります。

自動処理は、制作時間を劇的に短縮させる魔法ではなく、リスクとコストを低減する手法だと、ドットワンは考えています。
前項の内容でいえば、

  • 業者のテキスト入力、つまり原稿作成費がなくなります。
  • タイピングミスが消滅し、文字校正がほとんど不要となります。
  • レイアウトを仕上げてから修正する、不毛な徒労がありません。

味気ないルーチンワークを減らし、仕事をえり好みしないPCにその大部分を託す自動処理。上手に活用して、よりクリエイティブな誌面づくりにエネルギーをシフトしましょう。

抱えているテーマがお在りなら、お聞かせください。

記:内田憲志