有限会社ドットワン

Mac OS X でのDTP

2006年12月20日

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登場して5年、出力環境が整い、実用段階へ

DTPの世界では、制作するコンピュータの環境と、製版所のイメージセッタの環境が揃わないと、満足な製版データを得ることはできません。制作側が、進んだOSで、最新アプリケーションを駆使して作ったデータも、出力できなければ、ただの個人データです。

DTPを牽引してきたMac OSの最新バージョンは、Mac OS X 10.4(2006年12月現在)。
雑誌などの統計によれば、制作会社等の約半数が、Mac OS Xを導入していますが、ここには、Web制作といったデジタルコンテンツ制作用途のマシンも含まれており、実際のDTP分野での使用数は、はるかに少ないと思われます。

その原因は、先行するOSに対し、アプリケーションの対応が遅れたこと、対応はしても矢継ぎ早のバージョンアップにユーザーが「乗り換え時機」を見失ったこと、加えてDTPの生命線、フォントの複雑怪奇な問題が絡んだこと等があげられます。

ハード・ソフトの刷新、または増設の負担は、知識と費用において、制作側にも、出力側にも大きなものであり、また、不安定なものを先がけて導入できないし、安定した既存環境で十分ではないか、といった判断で数年が経過してきました。

が、2006年を境に、OSのクラシック環境の廃止、OS X専用ソフトへの移行という時代に入り、徐々に「OS Xでの入稿可」を謳う事業所が増え、ようやく「OS XでDTP」の時代が始まりました。

OS、アプリケーション、フォントの3つを確認

複雑なデータでなければアウトプットが可能になったOS Xですが、OS 9に比べ、出力側にノウハウの蓄積がありません。従って、トラブルを回避するため、事前の打ち合わせが必要です。

DTPデータの正確な出力結果を得るには、制作側と出力側の「出力環境を揃える」というのが、鉄則です。
製版所のイメージセッターが、制作側と同じOS、アプリケーション、フォントを理解し、ファイルを再現することによって、初めて満足のゆく出力結果が得られる仕組みになっています。

ドットワンでは、デザイン制作時には、各アプリケーションの最新機能を使いますが、出稿データにおいては、見た目の変化がない旧方式の制作方法で仕上げるなど、「判りやすいデータ」の作成に留意しています。
また、OS 9とOS Xを別個に構築、レガシー・データの混在を防いでいます。

RELEASE DTP編 [176KB・PDF]

記:内田憲志