PDFでデータ入稿

2006年12月20日

データ入稿は、PDF/X-1aで

現行のプリプレスのワークフローでは、制作側と出力側の「環境を揃える」必要がありました。つまり、印刷・製版会社は、あらゆる「環境」を用意して、外部のデータに対応する必要がありました。
アプリケーションのバージョンも増え、フォントフォーマットも増えた。これまでDTPに無関係であったWindowsのデータも加わってきた…際限なく続くアップデート・インフェルノです。
どんなに体力のある会社でも息切れしてしまいます。
この問題を解決しようと、アドビシステムズが進めているのが、自社のPDF技術を核としたワークフローです。

ISOの標準規格であるPDF/X-1aは、CMYKカラーをサポートするなど、印刷原稿の入稿データとして、推奨されるフォーマットです。制作側が、どのような環境でデータを作っても、最終的にPDF/X-1a形式に準拠したPDFに仕上げて入稿。出力側は、PDFに対応するワークフローのみ整えておけば良い。

入稿データの形式が一本化される。これ以上の打開策はない!といっても過言ではない良策ですが、その導入は、なかなか進展しません。印刷・製版会社の設備投資の問題、制作・出力双方のPDF自体への認知度や経験値の問題…。
当面は、ケース・バイ・ケースで検証が進められ、業界標準の入稿形式となるには、もう少し時間が必要だと思われます。

もちろん、「PDF入稿可」という会社があれば、幸運です。今日から実施してください。ただし、ご自身が「PDF/X-1a準拠」のデータが作れているか、プリフライト・チェックを忘れずに実行してください。

社内文書作成やデザイン校正に活用したいPDF

これまでPDFはあまり注目されていませんでした。その原因は、PDF作成ツールが、Adobe Acrobatしかなく、Acrobat Readerを、Acrobat本体と取り違える人がいたくらい、その認知度は低いものでした。
DTPの現場、すなわちMacintoshの世界では、長らくDTPで使用する和文のアウトラインフォントが、エンベッド(埋め込み)できなかったことが原因で、積極的にPDFを使ったワークフローを構築しようという方向に向かいませんでした。
状況が動き出したのは、Acrobat Readerが、Adobe Readerと改称した頃、アドビシステムズがWindows版に力を入れ出してからといえます。

そのような経緯をたどったPDFが、プロフェッショナルな現場で、統合されたワークフローとしての地位を確立しようとしています。
このことは、個別の用途なら十分に実用に供することができるということに他なりません。
ドットワンの制作事例でいえば、和文と中文の対訳文書(ネット配布用)、社内プリンタを使った少部数冊子(オンデマンド印刷用途)等があります。また、日常制作しているデザインの校正用PDFは、もう日常的にネットを飛び交っています。

Acrobat本体の導入が増え、あまり使われることのない「注釈ツール」等を使ったたくさんのデータが往来する日が来た時、Acrobat本来の魅力が全開花した時といえるでしょう。

記:内田憲志