CJKVは同じ夢を見るか

2008年10月18日

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デザイナーのお仕事を始めて間無しの頃、ある企業のCIマニュアルの日中対訳版とその配布用PDFを作るお仕事をさせていただく機会がありました。

この仕事は、企業のミッションやポリシーが、デザインによって社名ロゴやブランドロゴという「目に見えるカタチ」になる実例を見ることができ、ロゴタイプが「CI=コーポレートアイデンティティ」の中で、どれくらい重要なものかとても勉強になった、印象深い仕事です。

原稿は先行して作成されたイントラサイトの文章を流用することになったのですが、これは主に日本語の漢字を使用し、中国語固有の漢字は全て画像を貼り付けたもの。文字コードはShift-JISでした。
この手法では、修正や変更、その後の改訂のたびに画像を貼りかえなければならず、手間がかかってしょうがない上に、クライアントから提示された「フォント埋込みPDF」(文字を選択してコピー・ペーストが可能)という条件がクリアできません。
結局、テキストファイルに原稿の中国語をあらかじめ入力しておき、Illustratorファイルの所定位置にペースト、それをPDFに書きだして納品しました。

この過程で、大学の時に受けた「中国語情報処理」の授業の内容を復習する羽目になりました。


(大学入学時に買った卒業生の中古辞書。ぼろぼろですが、現役です)

中国語で使用されるGB字碼は日本語で使用されるShift-JISとは異なる文字コードで、中国で主に使用されます(台湾では異なります)。
そのため、一見同じ漢字に見えても、文字コードの種類によって実体は異なるデータとなり、文字化けなどの原因になります。
技術書で有名なオライリー社のシリーズでも、『CJKV日中韓越情報処理』(ISBN4-87311-108-0)という専門のタイトルがあるほど、東アジアの文字の取り扱いはややこしいものです。

この問題を解決するために、世界の主要言語を取り扱う文字コード、Unicodeが作られました。
文字の専門家の方には、あの字がない、この字もない、と色々言われているようですが、少なくとも東アジアの常用漢字レベルはクリアしているということです。
各国のユーザがそれぞれの言語環境で、外国の文字を表示する、その言語の素養があれば入力も簡単にできるようになりました。
元は同じ字であったにも関わらず、文字コードで隔てられていた四カ国の漢字が、また共通の文化として認識されるようになるのでしょうか。

記:内田未来