嵯峨本フォントプロトタイプを試す

2016年7月7日

タイプラボさんのメルマガ『タイプラボ・フォントNEWS』第151号の関連情報リンク(※)経由で、嵯峨本フォントプロトタイプをしり、ダウンロードしてみました。

このプロトタイプフォントは、嵯峨本フォントプロジェクトさんが、嵯峨本『伊勢物語(慶長十三年初刊本)』の一段と九段の全文を組むために必要な文字を、字游工房さんの協力も得て開発、2012年に発表されたものであることなどを今回知った次第。

さっそくインストールしてみました。
完成されたテキストを、Illustrator内にペーストしフォントを置き換えると仮名連綿体に変換してくれます。
またキーボードから文章入力すると、入力してゆくに従って連綿体に変換されて行きます。
例えば「おもふ」と入力すれば「思ふ」と漢字連綿で変換されます。
こちらの方がきっと感動が大きいでしょう。凄いぞ、OpenTypeFont。

次に、嵯峨本『伊勢物語』、一段丸まる複製してみることにしました。
原本、『国立国会図書館デジタルコレクション』に行き、画像を描き出してもらいました。

嵯峨本『伊勢物語』第1段

上に書いた二つの方法で入力と組みを進行し、最後は一字一字トレスするように重ねて仕上げてゆきました。
慣れない“連綿体搭載和文筆文字フォント”で、字形切り替え等に時間がかかりましたが、ひとまず『伊勢物語』第一段の完成です。

伊勢物語第1段組み見本

近年、仕事でデザインゴシックや丸ゴばかり使ってきた眼には、とっても美しく見えます。
とげとげしくなってきている自身の心根をやさしくほぐしてくれるような組み上がりになりました。

(※)『OpenType「嵯峨本フォント」をテキストエディットで楽しむ方法』:MACお宝鑑定団 blog[羅針盤]/2016年06月30日付けの記事。記事中『こうぜい』というとっても美しいフォントも紹介されていた。こちらもいつかレポートしようと思っています。

記:内田憲志