有限会社ドットワン

ウェブ標準準拠のサイト制作

2006年12月20日

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ウェブ標準とは

ウェブの世界でも、工業製品などのように一定の規格を設けて、品質や水準を保つという動きが一般化しつつあります。

ウェブ標準といわれるものにもいくつかの規格があります。
国内では2004年に発表された「Japan Industrial Standard X 8341-3(ウェブコンテンツJIS)」。世界的な動きでは、ウェブで利用される技術の標準化を進める団体・W3C(World Wide Web Consortium)の仕様書があります。

ウェブコンテンツJISでは、正式名称の中に含まれる「高齢者・障害者等配慮設計指針」という通り、アクセシブルなデザインを行うことを主眼に書かれたものですが、W3Cの仕様書は、ソースの文法や構造についても定義されており、広範な環境で利用できるウェブコンテンツを制作するために定められたもので、多様なブラウザ、OS、プラットフォームのいずれにも対応できるデータを作るという最大目的のための規格として作られています。

例えば、最近では携帯電話に搭載されたフルブラウザによって、PCと同じサイトを見られるようになっています。
PCよりも小さい画面で見ることや、パケット通信でデータを受信すること、一部の機種はFlashをサポートしていないことなどを考慮して、HTMLファイルはPCと同じものを使用しながら、携帯電話用のCSS(カスケーディングスタイルシート)を読み込み、携帯電話での閲覧に適したデータを表示することが考えられています。

これらはあくまでも規格や勧告であり、強制的に導入しなければならないものではありませんが、より便利で利用しやすいサイトを作るために、満たしておきたい水準となることは間違いありません。

これまでの10年

1990年代の後半は、各ブラウザの独自な機能拡張によって、標準規格自体が現実的でなく、一般のユーザーのみならず、プロのクリエイターも、表示結果を最重要視したサイト制作を行いました。
そのため、視覚障害者向けの音声ブラウザやスクリーンリーダーなどでは、サイトを利用しにくいという弊害があり、特定のブラウザ以外では閲覧できないサイトすら存在していました。

ユニバーサルデザインに基づいたウェブ制作に移行するため、WaSP(The Web Standards Project)のような草の根団体による、ウェブ標準の啓蒙活動が行われました。
まず実行するべきは、サイトの見た目を整えるためにテーブルタグを濫用することをやめ、文書構造を担当するHTML、グラフィカルな部分を受け持つCSS、という使い分けをするということです。

2000年以降、HTMLにXML(Extensible Markup Language:拡張可能マークアップ言語)の要素を取り入れたXHTMLが作られ、HTMLからさらに見栄えを指定するタグが廃止されました。

2002年を過ぎたころから、ようやくCSSが実用に足るものに発展したこと、ブラウザベンダーが大筋においてウェブ標準に沿ったブラウザを発表したことから、前述のような、XHTMLとCSSの棲み分けが可能となりました。

制作側では、クリエイターによる実験的サイト「css Zen Garden」のような啓蒙の試みもあり、プロの制作者の間でも、XHTMLとCSSが標準の手法として定着しつつあるのが現状と言えます。

ドットワンでは、このような情勢をふまえ、XHTMLとCSSを基本ツールに据えてサイト制作を行っています。

参考

  1. 日本工業標準調査会
  2. World Wide Web Consortium(W3C)
  3. The Web Standards Project(WaSP)

記:内田未来