有限会社ドットワン

プリントメディアビギナーズ Vol.2 - 携帯電話のカメラの写真=NG

2008年8月27日

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通常、商業印刷に必要とされる写真の解像度は350dpi程度とされます。
もし、解像度が350dpiに遠く満たない場合、印刷された写真にはジャギーと呼ばれる階段状のギザギザが見られます。

商業印刷で言う「解像度」は、デジタルカメラについてよく言われる「画素数」とは異なる単位です。
画素(pixel)は画像の「大きさ・寸法」に対して使われる単位ですが、解像度(dpi=dot per inch)は画像の「きめ細かさ」に対して使われる単位です。
ですので、数百万画素を謳っていても、そのカメラで撮影した写真の解像度は100に満たないこともあり得ます。

携帯電話のカメラで写真を撮ったとして、その写真を商業印刷に使用する場合、きめ細かさを350dpiまで上げないと、きめが荒くて使用できないということになります。

たとえば、一般的な携帯電話のカメラで撮影すると、解像度72dpi、600ピクセル×800ピクセル、実寸約21cm×約28cm程度の写真になります。これを350dpiに変換すると、実寸は約4cm×約6cmになります。
当然、これでは文章の脇に添えるカット、それもかなり小さいカットにしか使用できません。

携帯電話付属のカメラ、コンパクトデジタルカメラ、一眼レフデジタルカメラ、それぞれで撮影した写真を、商業印刷用サイズにした場合の大きさの目安は以下のようになります。

携帯電話付属のカメラ
紙面での大きさ:名刺サイズの約半分、パスポート用証明写真
コンパクトデジタルカメラ(解像度最大設定)
紙面での大きさ:名刺
一眼レフデジタルカメラ
紙面での大きさ:はがき

スペック上は、この表のようなサイズで撮影することが可能ですが、実際には「スペックと写っている内容は別」ということを忘れてはいけません。
光の当たり方や構図など、プロのカメラマンに撮影を依頼した写真には、他との歴然たる差があります。
メインビジュアルや商品写真など、ここぞ!というときには、やはりプロの手を借りるのが良いでしょう。

参考

  1. Wikipedia「解像度
  2. Wikipedia「画面解像度

記:内田未来