プリントメディアビギナーズ Vol.4 - 自社のプリンターで色校正=NG
2008年8月27日
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一般的なオフィスに設置されているプリンターには、どのような機種があるでしょうか。
おそらく、FAXとコピー機能のついたプリンター複合機と、インクジェット方式の家庭用カラープリンターを、用途によって使い分けるのが普通なのではないでしょうか。複合機では主にモノクロの書類や、簡単な図の入った資料などを出力し、写真などはインクジェットのカラープリンターで出力するという使い分けです。
印刷物発行のワークフローにおいて、校正という段階があります。
原稿通りに文字などが入っているか確認する文字校正と、仕上がりの色がイメージ通りか確認する色校正と、段階によって呼び方も変わります。
さて、オフィスのプリンターで校正することは果たして妥当でしょうか。
文字校正に関しては、妥当です。原稿通りに文字や図が間違いなく入っているか、細部漏らさず確認してください。
しかし、色に関しては、一般的な企業にあるプリンター、特にインクジェットプリンターはその是非を判断するのには適していません。
- オフィスで一般的に使用されている、Windows PCで印刷用の色を正しく出力するには、CMYKカラーを扱えるアプリケーションが必要です。MS Officeにその機能はありません。
- インクジェットプリンターで普通紙にプリントすると、インクがにじんでしまいます。インクジェットプリンターで「美しく」発色するのは、メーカー専用紙に写真モードでプリントした場合のみです。
- インクジェットプリンターでは染料系インクが主流です。商業印刷では顔料系インクが使われるので、発色の仕方が違います。染料系のインクは光沢が出やすく、メーカー専用紙にプリントした場合、写真のようなつやつやした仕上がりになります。それに反して、印刷用の顔料系インクは、光沢のないマットな仕上がりになります。
このように、いわゆるデザイン・印刷の業務用と、一般のインクジェットプリンターではさまざまな条件に違いがあるため、同じ色を再現するのは不可能です。
色について確認する場合は、印刷会社に色校正の提出を依頼しましょう。
参考
記:内田未来