有限会社ドットワン

電子出版ワークショップ・勉強会で使用したスライドと補足

2010年10月25日

この記事は書かれてから3年以上経過しています。内容が古くなっている可能性があります。

10月22日にメビック扇町で行った電子出版ワークショップ・勉強会で使用したスライドをアップします。
席が後ろの方であまり見えなかった、正直話がよく分からなかった、etc…な方のお役に立てば幸いです。

ePub_study.pdf [PDF:520KB]

以下はスライド中で紹介したいろんなものへのリンクです。スライドの中に出てきた用語が分かりにくいところもあったので、補足も少々。

ePub完成見本

まず一番肝心なものから。
伊丹シゲユキ氏の「電子書籍 ePub電子書籍の作り方2 シンプル ePUB フォーマット ガイド :How to create an ePub ebook? Simple ePUB Format Guide」で公開されている「ePUB Format Guide」です。

各デバイス用のePubリーダーで主要なもの

すべて無料です。

  1. Adobe Digital Editions(Windows・Mac用)
  2. Stanza Windows用
  3. Stanza Mac用
  4. Stanza iPhone・iPod Touch・iPad用
  5. iBooks

スライドには登場しなかったけど、雑談の中で登場した電子書籍リーダー。

  1. Amazon Kindle App iPhone・iPodTouch・iPad用
  2. Amazon Kindle App Android用

Amazon Kindle Appは、Amazonの電子書籍リーダー・Kindle用の電子書籍ストア「Kindle Store」をKindle以外のデバイスから使うためのアプリケーションです。Kindle Storeでの日本語の本は一部の勇気ある出版社さんか、作家さんご自身が出されたものくらいしかまだ見当たりません。
Kindle自体は現在ePubには対応していませんが、前述のWindows・Mac用のStanzaでePubをKindle用のazw形式に変換することができるようです(実機を持っていないので、どの程度読めるかは確認できていませんが…)。

ePubエディター

無料ですが、日本語まわりはまだ弱いです。リーダーによっては、これで書き出したePubがちゃんと表示できないため、もう一度手で作り直さないといけない場合も。

  1. Sigil Windows・Mac・Unix系OS用

スライドでは「Wordみたいな感じ」とさらっと説明しましたが、チュートリアルを日本語訳されている方がいらっしゃったので、紹介します。
Sigilちょっとさわってみようかなーという方は参考にしてください。

月曜ジャーナル:Sigilの基本的な使い方(1)

【補足】ePubのファイル構成について

ePub = (xhtmlファイル + cssファイル + 設定xmlファイルなど) × zip圧縮

これがePubの基本なのですが、Webサイトを作るお仕事をしていない人にとっては「xhtmlって何ー!?」ってなるのが当たり前だということをすっかり忘れていました。すいません…。

xhtmlは、htmlの親戚のようなものです。
htmlはWebサイトを作る時に使う言語で、文章の構成を司ります。ここは見出し、こっちは小見出し、ここからここまでが一つの段落…という感じです。
ブラウザでサイトを見ている時に、右クリックで「ソースを表示」などとやると、英語と記号とごちゃごちゃになったものが見られます。これがhtmlです。

それに対して、cssはちょっと見えにくいところにありますので、そういうものがあるんだなーと納得してください。カスケーディング スタイル シート(Cascading Style Sheets)の頭文字を取った略称です。
スタイルシートというだけあって、このファイルはスタイルを司ります。
見出し1のスタイルは「サイズ16ピクセルで、太字、文字色は赤」というようなことが書かれます。

こうして書かれたスタイルは、htmlに読み込まれるとそのファイル全体に適応されます。
このWebサイトでは本文はすべて「文字色は黒で、サイズは12ピクセル、行間は150%」にします、という指定を1回書いておくと、サイト全体にこの指定が適応されます。

これ、InDesignの「段落スタイル」に似ていますよね?
htmlが文字情報の構造や画像の配置位置を担当し、cssが段落スタイル設定を担当する分担になっています。それにフォントや画像ファイルなどを足して、全部まるごとzip圧縮したものがePubです。
ちょうど、画像を埋め込まずにリンク配置で作ったInDesginのドキュメントを「パッケージ」にしたものと考え方は同じです。

おまけ

電子書籍の本道からは逸れてしまうのですが、手持ちの既存書籍を自分で簡単に電子化して楽しむことを俗に “自炊” と言い、色々なノウハウが紹介されています。

ITmedia 誠:「電子書籍「自炊」完全マニュアル」記事一覧

これをやるうえで、iPadで定番と言われるリーダーアプリが「i文庫HD」です。こういうのもありますけど…と出してきたら意外と好評?だったので、一応ご紹介しておきたいと思います。

記:内田未来