有限会社ドットワン

山形県南陽市赤湯地区を訪問しました

2021年10月29日

山形新幹線赤湯駅にて

既に1年以上経過しており今更感が漂うのですが、2020年の9月に山形県南陽市の赤湯地区に行ってきたレポを。
こちらはエンサンブル (株)の辻田さんからお声がけいただいたウェブサイト制作のお仕事「赤湯ぶどう通信」の〝現地〟であります。

制作中はクライアントである赤湯テロワール協議会さま提供の資料や写真で見るだけだったのが、やはりどんな風にぶどうづくりが行われているか見てみたいなぁと思い、行ってみることにした次第です。
とは言え、時は人類初のコロナ禍のまっただなか。「行きます」と言ったところで平時のように動けるはずもなく。

立ちはだかる「感染症拡大の影響による運休のお知らせ」、予約した飛行機の運行中止と振替手続きが2回、とどめは振替で生まれた時間に仕事をしようと、急遽加えたMacBook Air+充電器で手荷物が重さ規定(7kg)を300gオーバー。この経験がいつか活きる時が来るんでしょうか…?

最終的に関西国際空港から仙台空港へ飛び、仙台駅発山形駅行きの高速バスで山を越え、最後は山形新幹線で赤湯駅まで。帰りはその逆順で、仙台1泊・赤湯1泊の行程になりました。

赤湯駅・山形新幹線とラーメン横断幕
赤湯は山形のラーメン激戦区。近隣のラーメンを紹介する横断幕がありました。

赤湯到着後、赤湯テロワール協議会の事務局である結城酒店を訪ね、この日不在の社長さんの代打を引き受けてくださった奥さまのアテンダントで観光に出発です。
まずは「千本桜」で有名な桜の名所・烏帽子山、その山頂にある烏帽子山八幡宮へ。9月なので当然花は咲いていないのですが、春は視界が全部桜できれいだろうなと想像できる景色でした。
ここには赤湯出身の刀鍛冶・水心子正秀の顕彰碑があります。その話は趣味のブログに書いたので割愛します。

烏帽子山八幡宮の日本一の総石造り大鳥居。大きいです!

お昼は、6DININGでランチコースをいただきました。
スタッフさんの話によると、山形には四季ではなく六つの季節があるとのこと。その六つの季節に応じて旬の食材をいただくというコンセプトのフレンチのお店です。おいしかった…。

午後からは、十分一山へ。山頂の南陽スカイパークは雲海とパラグライダーで有名なところです。
この山は斜面にぶどう畑が沢山あります。水捌けがよく土壌がぶどうづくりに適している上に、麓にある白竜湖から湿った空気が山の斜面に沿って霧となって立ち昇るため、この山の斜面で育つぶどうは糖度が高くなるのです。

置賜盆地が一望できます。右奥の山の向こうが新潟県、左奥の山の向こうが福島県です。
十分一山の斜面。ビニールハウスのように見えるのはすべてぶどう畑です。

南陽スカイパークの次は、麓の観光ぶどう園・紫金園さんへ。
ここには赤湯地区のぶどう・ワインづくりの歴史モニュメントともいうべき樹齢百年のぶどうの古木があります。この「マスカットベーリーAの古木」も、ぜひ見てみたい!と思っていたものの一つです。
紫金園は、須藤ぶどう酒というワイナリーが経営しており、ぶどう狩りとワインの仕込み体験ができます。
ワインづくりに使われる品種・マスカットベーリーAはまだ収穫時期ではなく、デラウェアという品種で白ワインを作らせていただくことになりました。

マスカットベーリーAの古木。堂々たるたたずまい。

詳しい工程は、南陽市が運営するサイトの「世界にたった一つのマイワイン作り体験」の記事をご覧いただくとして、やってみた感想は「面白かったけど、腕が疲れた」です。
自分で収穫した2キロのぶどうを手で潰してしぼるので、その日のうちに前腕が筋肉痛になりました。

デラウェア2kgの絞り汁。白ワインになって自宅に届きます。

最後は、白竜湖へ。
湖ごしに見える田畑とぶどう畑が美しい場所です。地元には幾通りか伝説があり、若い女性が恋に破れて湖に身を投げ、白い竜となって天に昇ったという筋が定番のようです。
このあたりは盆地なため昼夜の気温差があり夏でも霧が見られることがあるそうで、湖から立ち昇る霧が竜に見えたのかなぁと思いました。

白竜湖畔から十分一山を望む

出発まで苦労させられた山形訪問でしたが、出発してからは致命的なアクシデントもなく予定通り行動することができました。結城酒店さま始め行く先々でお世話になった赤湯地区の皆さま、また、仙台で食事につきあってくれた友人に感謝です。

記:内田未来