有限会社ドットワン

高知県佐川町を訪問しました

2022年2月24日

高知県佐川町黒岩地区の茶畑

今回も既に1年以上経過しており今更感が漂うのですが、2020年の11月に高知県佐川町を訪問したレポを。
こちらも合同会社アースティーの代表・佐渡友氏(実は大学の同級生でもあります)からお声がけいただいて実現した訪問です。
高知県佐川町の四国カワサキ販売(有)の社長さんのご依頼で、高知県や愛媛県、徳島県などのお茶農家やお茶関係者で作る勉強会・四国中山間地域茶業研修会のインターネット・SNS講習で講師をして欲しいと。つまり、制作ではなく講師業でのお呼びがかかったわけです。

日程の都合上、木曜日の夕方に大阪を出発して高知入り、金曜日に講習会、土曜日に茶畑と製茶工場を見学し帰阪、という弾丸気味のツアーとなりました。往復の車の運転と現地のアテンダントを佐渡友氏がまるっと引き受けてくれたおかげで、心置きなく旅立つことができました。

明石海峡大橋
明石海峡大橋から淡路島経由で四国へ

途中、高速道路の工事のため迂回したりもしましたが、無事高知市に到着。この日の夕食はホテルからすぐの超定番・ひろめ市場ですが、21時半閉場なのに20時を回ってしまったため、ダッシュで向かいました。
前回訪問時に場内を一通り食べ歩いた佐渡友氏が美味しいお店をピックアップしておいてくれたので、私は大人しく着いて行くのみです。ずっと食品の仕事をしていて料理も上手い、食にかけては私よりはるかに上のレベルにいる佐渡友氏が行く先に間違いはありません。

ひろめ市場
高知市に来たらとりあえず行っておかないと

藁焼きのカツオのたたきやら刺身やらエビやらを食べ、ラスト客なので中途半端に開いていたワインをおまけにいただいたりしたところで閉場時間になり、近くの餃子とラーメンの屋台(ここも有名なお店で数か所あるそうです)に行って移動日は終了。

次の日は朝から高知市から車で1時間の佐川町へ移動。佐川町は仁淀ブルーで有名な清流・仁淀川の支流にあたる柳瀬川沿いの町で、山に囲まれた盆地です。町内には高知市と松山市を結んでいた土佐街道がほぼそのまま国道33号として残っているため、古くからの街道筋の町並みも見ることができます。

実は2023年度前期の朝ドラ「らんまん」の主人公のモデルとなっている植物学者・牧野富太郎博士の出身地でもあるのですが、この時はまだ将来そんなビッグニュースが待ち受けているとは知る由もありませんでした。

佐川町の北部にある黒岩地区の公民館にあたる「集落活動センターくろいわ」をお借りして、講習会を実施。内容もそんなに難しいものではなく、普段学校の授業で教えているウェブマーケティング分野の基本的な内容を、技術面のややこしいところを省いてコンパクトにまとめました。
質疑応答で様々な質問が出ましたし、お茶を飲みながら個別のケースについての質問に答えたりもして、時間があっという間に過ぎてしまいました。後日、この時よりもう少し実践的な内容をオンライン講習会の形で実施していくことになります。

もう何年も前になりますが、デザイナー仲間で結成したD×Kの活動でお世話になったのも、仁淀川のさらに上流にある仁淀川町の企業さまでした。どうも仁淀川流域にご縁があるようで、嬉しいですね。受講された方の中には仁淀川町の方もいらっしゃって、ローカルなネタで話が弾みました。大阪の人なのになんでそんなこと知ってるの!?と驚きを提供できて良かったです。

最寄の集落から車で5分ほど山道を登った山間の茶畑

最終日は、佐川町内の茶畑と製茶工場の見学に。茶畑は、畑と果樹園の間の道を登って行った先にありました。
山の斜面に、こんもりときれいなカマボコ型の茂みが整然と並んでいます。四国の茶畑はこのような急斜面に作られていることが多く、大規模な機械化には適していません。ですが、水捌けが良く寒暖差のあるこうした茶畑で育ったお茶は非常に香りが良く、シビアな環境育ちであるがゆえに葉の中に旨味をギュッとためこんだ美味しいお茶になります。台湾で作られている「高山茶」と呼ばれるタイプのお茶はこれと似た条件下で作られるもので、非常に香りが良いことで有名です。
急斜面、水捌け、激しい寒暖差。この条件、山形のワイン用ぶどうと同じです。ぶどうとお茶はどこか似ています。

お茶の花。茶の木はツバキの仲間なので花も似ています

さて、この茶畑に来る途中、私たちの乗った車はとある史跡の前を通過しました。「南海太郎朝尊鍛工房跡と剣井」です。高知まで来てまた日本刀か!と呆れられそうですが実話です。

幕末の刀工・南海太郎朝尊が佐川町の黒岩地区出身ということは知っていたんですが、まさか広い佐川町内で訪問先の近くに史跡があるとは夢にも思わず、全く下調べをしていませんでした。あいにく車を降りて周辺を散策する時間の余裕がなく案内板を見ただけで終わってしまったのですが、次回訪問する機会があればぜひこちらも見に行かねばなるまい!と思っております。

余談ですが、私が「南海太郎朝尊の史跡がある!」と騒いだせいで、現地を案内してくださった四国カワサキ販売の社長さんが「こんなのがあるらしいよ」と観光協会で雑談し、最近日本刀に興味を持ったという職員の方が次の日さっそく工房跡を見に行かれたそうです。先を越されてしまいました(笑)

記:内田未来